性加害疑惑ダウンタウン松本人志は1期生…弟子入り不要の養成所「NSC」の弊害を識者が指摘
■「タレントとマネジャーのパワーバランスが逆転」
そんな往年の芸人との温度差はなぜ生まれたのか。元毎日放送プロデューサーで、同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏は「芸能事務所とタレントのパワーバランスの逆転が一因になっているのでは」として、こう分析する。
「現在の吉本興業社長の岡本昭彦氏も副社長の藤原寛氏も、ダウンタウンのマネジャー経験者で、彼らのバラエティー番組で、呼び捨てにされている姿を覚えている視聴者も多いでしょう。つまりダウンタウンには頭が上がらない。昔は、芸人とマネジャーは節度のある関係を保っていましたし、マネジャーたちは“決して芸人のカバンは持つな、付き人じゃない”と教育されていた。いくら若くても仕事の上では対等でした。こうした関係が崩れたのがNSC1期生のダウンタウン以降なのではないかと思います。人間関係はフラットになったけれど、結果的に吉本の社員は後輩芸人と同じになってしまった。師匠のもとで芸能界のイロハを教わってきた先輩方とは価値観が違うのでは。ある意味、弟子入り不要になった養成所の弊害かもしれません」
いまや吉本芸人の大半はNSC出身。1期生であることでヒエラルキーの頂点というおごりと勘違いはなかったか。