著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

中丸雄一はアパ密会で休業、深夜に不倫ドラマ4本…コンプラ厳しいテレビ界が抱える矛盾

公開日: 更新日:

不倫ドラマの増殖は不倫抑止になるのか

「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」(MBS、TBS系)はタイトルがすべてを物語っている。

 仕事も家庭も完璧にこなしていた妻(中村ゆりか)が夫(犬飼貴丈)の不倫を知り、完璧な復讐計画で夫を追い詰める。

 こちらは子供が欲しいと言い出した妻が鬱陶しくなり、同僚に妻と寝るよう夫が仕向ける。それが妻の知るところとなり、復讐は時間の問題だ。

 元乃木坂46の樋口日奈が不倫される人妻を演じる「初恋不倫~この恋を初恋と呼んでいいですか~」テレビ東京系)など深夜は不倫天国。

 とはいえ、令和の不倫ドラマは「やられたらやり返す、倍返しだ!」的なものばかりで、山田太一の「岸辺のアルバム」や向田邦子の「阿修羅のごとく」、鎌田敏夫「金曜日の妻たちへ」のような道ならぬ恋ゆえの苦しみやお互いの感情の動きは描かれない。

 ところで、不倫ドラマの増殖は不倫抑止になるだろうか。むしろ逆では。マッチングアプリで簡単にくっついたり別れたり、不倫のカジュアル化も進んでいるように思う。

 テレビのコンプラは厳しく、中丸雄一は「アパ密会」で休業してしまった。

 コンプラを叫びながら自分たちは受けるので不倫ドラマを喜々として作る。自分たちが抱えている矛盾に気がついていないのか。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状