松尾貴史さんの“生きるクスリ”は「悪いストレスをため込まない」こと 宝くじ10億円当せんの夢が“睡眠薬”代わり
松尾貴史さん(タレント・俳優/64歳)
コラム集の出版や映画出演など多岐にわたり活躍する松尾貴史さん。“生きるクスリ”は、違うストレスのかけ方と宝くじの当せんイメージという。
昨年、血管が血栓で詰まっている箇所を広げるためバルーンを入れる手術を2回やりました。8月に右半身、12月に左半身で、血管の何十カ所かを。そんなに詰まりそうな箇所があったとは驚きです。もちろん今は体調いいです。
体に一番よくないのはストレスですよね。だから、僕の考える“生きるクスリ”は、とにかく我慢しないこと。イヤなことははっきりと「イヤです」と言い、思ったことをため込まない。仕事でもそうです。僕は外見的には頑張っているように見えますけど、あまり頑張っていないんです(笑)。わかりやすく言うとリラックスしています。それが大事。プライベートでも食べたい時は食べ、飲みたい時は飲むようにしてますから。
人間は何をしても、ストレスが生まれるものです。肉親が死ぬという大きなストレスから、風呂に入れない小さなストレスまでさまざま。毎日夫婦で暮らすのもストレスだし、1人暮らしもストレス。
大切なのは同じストレスをかけ続けず、違うストレスを自分にかけること。仕事でイヤなヤツと一日ずっと一緒にいなければならないのは「不健康なストレス」。そういう時は違う人と仕事して別のストレスをかける。人って普段の生活でなるべくストレスが強くならないように、いろいろ整備して生きていると思うんです。電車の何両目に乗ればエスカレーターが近くて乗り換えにストレスがないとか小さいことも考えながら。それでも細かくストレスがたまっていくから、旅行とか普段とまったく違うことをしてバランスをとる。これが大事ですね。
僕は仕事を選ばないんで、どんなジャンルもやります。いろんなことをやった方が悪いストレスにならないから。同じストレスがたまるといつも「違うストレスをかけよう」と心がけています。
■座右の銘は「不謹慎・無意味・中途半端」
マジメな人は1つのことを我慢しますし、頑張ってしまいますよね。同じストレスになれていく。僕はそれががんになるもとだと考えているくらい体に悪いと思います。少しズレますが、上役の秘密を守るために自分を追い込む人はマジメなんでしょうね。すごいストレスだと思います。
僕の座右の銘は「不謹慎・無意味・中途半端」。不謹慎は「不真面目でいいんだ」ということで、無意味は僕のやっていることなんて、宇宙から見ればチリにもならないちっぽけなことだということ。中途半端は「100点でも0点でもなく1点から99点までの間なら全部及第点だよ」という考え方。これ以上じゃなきゃダメというハードルは設けない。人からの評判や世間体を気にして生きるより自分が楽しければいいやと。