坂上二郎さんがキッパリ言い切った 盟友・萩本欽一さんへのリスペクト
「大変ですよ。何を言い出すかわからないことに対応しなきゃいけないんですから」
「さすがに反対したり、文句を言われなかったんですか?」と聞くと、「それはないよ! とか、もうやってられない! とか、口では多分言ってたと思いますけど、内心は“欽ちゃんが言うんだから間違いないだろう”と思ってましたよ。そこを信頼してなきゃできませんよ。きれいごとじゃなく心底思ってますよ」とキッパリ。不仲の影など全くありませんでした。
後年、相方の萩本さんがインタビューで、歌、踊り、動き、しゃべりのスキルが全部高い坂上さんについて「これだけできる人を困らせるのは大変でしたよ。だってできちゃうんだもん、何でも。二郎さんは」と最大限の評価をされていました。お互いがいなければ不世出なコント55号も坂上さんも萩本さんも生まれていなかったでしょう。
そんな2人がコンビを組んだきっかけは、マージャンの人数が足りず、たまたま呼ばれたのが萩本さんで、それが縁でコンビを組まれたそうです。歴史に名前を残される芸人さんたちは、理屈では説明のつかない“縁”や“運”としか言いようのない逸話をお持ちですが、まさに、コント55号もそうでした。
「全ては欽ちゃんと出会ったおかげですよ、はい」と、おだやかな表情で大きくうなずきながらしみじみおっしゃった姿が今も強く印象に残っています。