萩本欽一が83歳にして新境地に挑む コメディアンの転機となった「熱海のホテル」秘話
衰え知らずの司会ぶり
今年に入ってからも「83歳の欽ちゃん!最後の新番組 あの場所に1000人で集まろうか?」(日本テレビ)、「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞 100回記念SP」(同系)と出演番組の放送が続いている萩本欽一。お笑い界のレジェンドは、まだまだ新たな挑戦に意欲的だ。
「最後の新番組」は、都内のライブハウスで実験的なコントを毎月披露し、1000人の観客が集まる「日本工学院アリーナ」のステージに臨むまでを追った密着ドキュメンタリー。共演者を追い込んで笑わせるだけでなく、ライブの模様を撮影するカメラマンをも巻き込み沸かせる演出がいかにも萩本らしかった。
もう一つ「仮装大賞」は、前半で“仮装大賞出演者が選ぶ名作BEST30”のVTRを紹介し、続けざまに100回目の大会が開催される構成。20th Century(坂本昌行、長野博、井ノ原快彦)やマギー審司のサプライズ出演も目を引いたが、改めて感服したのは現場に程良い緊張感を与え、長丁場をこなす萩本の司会ぶりだった。
時折、「誰も気付かないところを気付くのが審査員」などと気の利いた言葉を発し、香取と久しぶりの共演となる20th Century登場時には「慎吾、お前やれよ」と距離を置いて笑わせる。もちろん香取のサポートもあってのことだが、およそ80代とは思えない感性と手腕がそこにあった。
坂上二郎とのコンビ「コント55号」で一世を風靡し、三波伸介とともにテレビ司会者を務めるコメディアンの先駆けとなり、日本のバラエティーにピンマイクの導入を促すなど、テレビ業界に大きな影響を与えた萩本。