旧芸名「悠木千帆」をオークションで売った樹木希林
そんな中で落札したのは青山でブティックを経営する37歳の女性。オークションのことはまったく知らず、渋谷に買い物に来た際、人だかりに誘われてつい「5000円」と応札。しかし、司会の前田武彦に「奥さん5000円は安い。電話の引き合いでも2万円の値が出ているんですよ」と言われて2万200円の値を付けた。もっとも、落札したものの、「使い道、どうしたらいいかしらねえ」と困惑顔。
芸名を買われてしまった悠木はオークション終了後にサインをせがまれた際に「私、名前がないから」と頭をかかえるハプニングも。値段については「私の父が勇気を持って芸能界を進むようにとつけてくれた芸名。もう15年も使って好きな名前だしね。2万200円か。そんなものかもしれないね」としんみり。
新芸名だが、当初は本名の内田啓子を使うことも考えていたが、別居中の夫の内田裕也が「(内田を使うと)オレの個性がキミの芸にからんでくるようでマズイ」とクレーム。TBSの久世光彦プロデューサーは「そんなイージーな役者は死ね」とまで。久世は「母」という芸名はどうか。年をとったら濁点をつけて「ババ」にすればいいと提案したが、これは悠木が拒否。結局、4月2日の深夜に「樹や木が集まって希な林を作る、みんなが集まって何かを生み育てる」ということから樹木希林という芸名を考え、テレビでは5月スタートの「ムー」(TBS系)から使い始めた。