長谷川町子 尋ね人欄に新聞広告が出された遺骨盗難騒動
第一発見者となった社長はすぐに現場の写真を撮った。長谷川さんの姉の毬子さんは重大性と悪質性を考え、その日のうちに警察に通報。翌26日には捜査員5人が霊園を訪れ、骨壷がないことを確認した。事件の性質上、当初、盗難の事実は伏せられていたが、ほどなく一連の動きをマスコミがキャッチ。事件が大々的に報道される騒ぎとなった。
犯人側の要求金額は2000万円だったともいわれている。毬子さんが犯人の指定する通り、3月31日の読売新聞尋ね人欄に「原揚子さん 至急連絡下さい まり子」と広告を出したところ、犯人側からは2通目の脅迫状が届いた。
今度は振込先の銀行口座が指定され、翌日必ず振り込むように、と具体的な指示が書かれていた。
■遺骨は2週間後に戻ってきたが、犯人逮捕ならず
当初、毬子さんは要求通り、お金を払うつもりだったともいわれているが、警察の説得に応じて4月1日に被害届を出した。3日、警察は都内5カ所の銀行ATMに張り込んだ。しかし、犯人からの動きはなかった。また、実際に金が振り込まれたかどうかについて、捜査当局は明らかにしなかった。