官能描写に喜びの声 林真理子「愉楽にて」のエロチシズム
「この先どうなるの?」と期待が高まっているのが林真理子氏の連載小説「愉楽にて」。林氏は「毎朝、新聞の上で絢爛(けんらん)たる贅沢(ぜいたく)な世界をつくりたい」と意気込みを語り、今月6日から日本経済新聞に掲載されている。
大手製薬メーカーの御曹司・久坂が父親から大金を譲り受け、シンガポールの高級マンションで現地の日本人女性とのアバンチュールを楽しむストーリー。これまで4人の駐在員妻と不倫を楽しんだ彼は、いま、現地の証券会社で働く30代の夏子を狙っている。まだキスだけの関係だが、今夜はさらに深い仲に発展しそうだ。その前に38歳の人妻・由希を愛撫する……。
連載9回目の15日は由希の薄い下着に手をやって亀裂を中指でなぞり、女の敏感な部分を円運動で刺激。久坂は「こんなに濡れているよ……」と言い、由希はこらえきれずにソファに倒れ込んで、快楽に達してしまう……。官能的な描写にネット上では「結構エロい」「朝から心拍数上がるわ」と“喜びの声”がわき起こっている。
書評家の雨宮由希夫氏が言う。
「始まったばかりなので、林さんの意図は分かりませんが、楽しみな連載です。日経の連載といえば、1995年に渡辺淳一氏が書いた『失楽園』が有名。林さんは女性なので、ベッドの上で女性がどんな性的興奮を味わうのかを克明に表現できるはずです。主人公の久坂がお金に不自由しない53歳のボンボンというのも、読者の憧れを喚起しそうです」