出産女性の3割が該当 高齢出産後の妻の生理に夫婦でケアを
「出産後数カ月は誰もがこの状態になりますが、高齢出産の女性では、若い人と比べて体の回復が遅くなりがち。母乳の分泌状態にもよりますが、若い世代なら授乳中でもたいてい3カ月ほどで生理が来るのに、高齢出産の場合はなかなか生理が再開しない。中には、そのまま閉経してしまう人もいるのです」(河端教授=以下同)
「閉経になる」ということはつまり、「エストロゲンの分泌がなくなる」ということ。すると自律神経が乱れ、更年期と同様の症状が出てくる。ここに初めての育児による疲労が重なると、心身ともに追い詰められたような気分になり、うつ症状に陥ってしまうケースもある。いわゆる「産後うつ」だ。
さらに高齢出産の女性が6カ月以上生理の再開がない場合、膣や子宮が萎縮する場合も。そうなると性交渉の際に痛みを感じるため、嫌悪してしまうようになるという例もあるという。
「出産後の生理の再開」には重要な意味があるということは、男女問わず覚えておきたいものだ。
「奥さんの様子がおかしいと感じたら、ご主人は生理の再開について聞いてみてください。話題にしづらくても、自分の家庭の問題だという意識を持つこと。もし生理の再開が遅れている場合は、産婦人科の受診を勧めるべきです」
出産後の女性は育児中心の生活で、自身のことは後回しになりがちで、生理の再開に注意を払わない人も多い。そんな妻を支えられるのは、身近にいる夫しかいない。