著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

石田純一はTV番組で余命8年と 肝臓の線維化を知る検査2つ

公開日: 更新日:

 肝炎になると、慢性的な炎症で肝細胞が線維化します。線維化を分かりやすくいえば、カサブタのような状態。それが肝臓に広がったのが肝硬変です。

 肝硬変は、線維化が進んで、肝臓が小さく硬くなっています。そうなると、黄疸やむくみ、腹水、吐血などの症状が見られるようになり、アルコール性肝障害の影響は深刻です。意識障害を起こす肝性脳症、静脈にコブができる食道静脈瘤、腎不全、糖尿病といった合併症も発症しやすい。アルコール性の肝硬変も初期なら、断酒で改善が期待できますが、お酒を長く楽しむなら、なるべく軽度の肝炎のうちに節酒するのが無難です。

 アルコールの影響が表れるスピードは個人差があり、一般に女性の方が速い。それを知る手がかりが、実は血小板の数値です。10万個を下回ると、肝硬変の恐れが。血小板の数値低下と肝臓の線維化の進行には、右肩下がりの関係がありますから、血小板の動向は要注意です。

■血小板の数値低下も要注意

 その対策で私は、半年ごとに2つの検査を受けています。ひとつは、エコーで「肝臓の硬さ」と「肝臓に蓄積した脂肪量」を同時にチェックできる肝硬度測定検査(フィブロスキャン)です。肋骨のあたりにプローブを当てるだけ。5分ほどで終わります。

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