「転んだ程度で骨折」寝たきりや死亡リスクのアップを招く
「背中をちょっと押したら倒れてすぐに骨折、というような人もいます。ところが、1300万人ともいわれる骨粗しょう症の患者さんのうち、治療を受けているのは20~25%程度。自覚していない人も珍しくありません」
加齢で誰もが骨の強度は落ちる。骨の強さは親から遺伝するので、親が骨粗しょう症による骨折経験者の場合、自分も骨が弱い可能性がある。また女性は、閉経後、一気に骨の脆弱化が進む。喫煙や大量飲酒の習慣がある人も骨粗しょう症になりやすく、進行しやすい。これらに該当する場合、50代くらいから骨粗しょう症を覚悟した方がいい。
まずは、自分の骨の状態を知る。特に、「重い物を持つと腰が痛む」「立ち上がる時に腰が痛む」「起き上がる時に腰が痛む」「身長が縮んだ」「背中が曲がっている」「よく転倒する」といった人は急いで検査を受けるべきだ。
「骨粗しょう症対策としては、カルシウム、ビタミンB、D、K、タンパク質を日常的に積極的に取る。そして、スクワットや太極拳などの運動を行う。ただし、食事と運動だけでは効果に限度があります。骨密度の検査から骨折リスクが高いと判断された場合、速やかに薬物治療を始めてください」