「転んだ程度で骨折」寝たきりや死亡リスクのアップを招く
■薬は使うメリットの方が大きい
骨粗しょう症の薬には、ビスホスホネート製剤、ビタミン剤(D3、K2)、カルシウム剤、抗ランクル抗体、SERM(選択的エストロゲン受容体調整薬)、副甲状腺ホルモン製剤、抗スクレロスチン抗体など選択肢があり、患者の状態に応じて選ぶ。
薬を嫌がる人の中には、骨粗しょう症治療で最もよく使われるビスホスホネート製剤の副作用を心配する人も少なくない。それは、この薬を長期的に使うと、軽微な外力で通常では起こり得ない部位に起こる骨折(非定型大腿骨骨折)や顎骨壊死のリスクが高くなるというもの。非定型大腿骨壊死については、最新の研究結果で、アジア人女性はリスクが5倍との結果も出ている。
「しかし、メリット、デメリットを考えた場合、薬を使うメリットの方がはるかに大きいことははっきり分かっています。また、薬物治療で骨密度が上がれば、薬を休むことも可能です」
人生100年時代、誰しも骨粗しょう症は免れない。付き合っていくためには、骨の状態を把握すること、そして正しい治療を受けることだ。