帯状疱疹の疑いも…ワクチン接種1カ月後のピリピリした違和感には要注意
ある女性は、3回目のコロナワクチン接種2カ月後、右耳に針で刺すような痛み、右半分の顔面にピリピリするような違和感が生じた。
耳鼻科を受診したが、耳孔には異常なし。軽い中耳炎と診断され、抗生剤とビタミン剤を処方されたものの、服用していいか悩み、既知の清水医師に相談してきた。
「頭部MRIでは脳内や中耳の副鼻腔に異常なし。耳孔も確かに異常なしでした。採血検査では、細菌性の炎症反応もありませんでした」
「顔の半分」「針で刺すような痛み」「ピリピリするような違和感」という症状からは帯状疱疹が疑わしい。しかし帯状疱疹ウイルスの抗体検査の結果判定には4、5日を要する。
一方、耳鼻科から処方された抗生剤を服用すると、帯状疱疹であれば、逆にウイルスの活性を助長してしまう可能性がある。
「画像診断や採血の結果から、消去法で帯状疱疹ウイルスの再活性化しか考えられませんでした。抗ウイルス薬の点滴と経口剤の投与を開始したところ、翌日には帯状疱疹が数個出現。ただ、抗ウイルス薬の投与が早かったため皮疹はひどくならず、痛みや違和感といった神経痛は1週間ほどで消失しました」