闘病ではなく、共存…病気は憎む相手ではなく一緒に生きていく伴侶
三尾希さん(29歳)=全身性エリテマトーデス
通院のたびに受け取る袋いっぱいの薬。いつもは飲んだ後、薬のケース、ブリスターパックを捨ててしまうのですが、日々見ていると、キラキラして、いろんな種類の色があって、すてきだな、と思ったんです。
薬は時に副作用ももたらすけれども、私が生き生きと活動できるのは、医療の進歩と支えてくれる周囲の方々のおかげ。ブリスターパックが放つキラキラした良さをポジティブに生かせないかと考えた時、宝石とリンクしたんです。ブリスターパックを細かく切って貼り合わせ、ジュエリーのようにしたのが写真の作品。「輝き」のほかに「生き生きした」という表現にも使われる「sparkle」という作品名をつけました。
全身性エリテマトーデスと告げられ、社会復帰はもうできないと絶望的な気持ちになっていた私に、当時の上長がすごく親身に対応してくれました。「人材としてあなたを待っている」ということを、言葉と態度で示してくれたのです。「こういう病気になっても『先』があるんだ」と思え、本当にうれしかった。体が回復してきたのもあったのでしょう。退院前は「時間が長くて暇だな」と感じられるほど元気になっていました。