抑うつ状態が続くなら「副腎疲労」かも…腸内環境を乱す食習慣を避ける
慢性疲労、食欲不振、集中力低下、抑うつ状態が長く続いているなら、「副腎疲労」かもしれない。正月休みに実践できる回復法について「ナチュラルアートクリニック」(四ツ谷)院長の御川安仁氏に聞いた。
副腎とは、左右の腎臓の上にある3~4センチほどの小さな臓器で、生命維持に欠かせない50種類以上のホルモンの産生を行っている。中でも重要な役割を担うホルモンが、体内の炎症を抑えたり、ストレスに対抗する作用を持つ「コルチゾール」だ。
「ヒトはストレスにさらされると、脳の視床下部や下垂体が副腎に対してコルチゾールを分泌するよう指令を出します。ところが過度なストレスが頻回にかかり続けることで下垂体からの指令が出なくなり、コルチゾールの分泌が途絶えると、疲労感、寝覚めの悪さ、食欲不振、体力低下、抑うつ状態、性欲衰退、不安などの不調を引き起こしてしまう。これが副腎疲労です」
副腎疲労の原因は、休息の不足、過剰なストレス、忙しい生活、バランスのとれていない食事などさまざまだが、中でも深く関連しているのが腸内環境の乱れだという。腸内環境の乱れは腸に炎症を起こしやすくさせ、腸内細菌のバランスが崩れて腸壁の細胞間に隙間ができると、未消化の栄養素やウイルスなどの異物が血管内に侵入する“腸漏れ”を起こしやすくなる。それらが血液に流れて脳で炎症を起こすと、下垂体が副腎にコルチゾールを分泌するよう指令を出せなくなり、副腎疲労を招く。副腎疲労による疲労感を回復させるためにも、まずは腸内環境を乱す食習慣を避ける必要がある。