安倍昭恵氏や国会議員がこぞって肩入れ…「不二阿祖山太神宮」のトンデモ歴史観
「イエス・キリストはここで修行をしてから国に帰ってキリスト教を広めたんですよ」
信者がにこやかに語るのは、富士山麓の富士吉田市にある不二阿祖山太神宮。一見すると神社のような装いで、鳥居は珍しい3本足だ。
「この鳥居の下に入ると、携帯電話などから出る電磁波の悪影響を弱めることができます」(信者)
境内には“ムー大陸の文字”なるものが記されたプレートが。2020年に筆者が取材に行くと、“平和を祈るホピ族の儀式”が行われていた。だが登場したのはホピ族とは別のネーティブ・アメリカンであるアパッチ族の羽飾りを頭につけた男性。終了後に聞くと、アパッチの祖母を持つクオーターでホピ族は関係ないという。随分テキトーだ。
社務所には団体の機関誌と一緒にオカルト雑誌「ムー」が置かれ、ここを訪れた著名人の写真コーナーもあった。目を引いたのは、この神社の渡邉政男教祖と安倍晋三元首相の妻・昭恵氏が写ったカット(写真=撮影・藤倉善郎)だ。
不二阿祖山太神宮は2009年に設立された新興宗教団体。200万~300万年前のこの地に天皇を頂点とする「富士王朝」(古代富士王朝)と天皇家ゆかりの「不二阿祖山太神宮」があったと主張する。