マルマンの「図案スケッチブック」をテレビ番組が“カンペ”に使う理由
9月21日は「スケッチブックの日」。黄色と深緑の表紙でおなじみ「図案スケッチブック」のマルマンが制定した。
同シリーズは年間230万冊、1958年の発売以来、累計で9700万冊(2022年9月時点)のロングラン商品だ。
使いやすさが受けて、テレビ業界でカンペやバラエティー番組、クイズ番組の回答用紙として使われているって本当?
「本当です! テレビ業界の方に聞いたお話なのですが、めくりやすい、インクのウラ抜けがない、やぶりやすい、どこでも手に入るといった理由で使用いただいているそうです」(マルマン担当者)
■つば九郎も愛用
他にヤクルトスワローズのマスコット、つば九郎も愛用していて、マルマンが1年分をプレゼントしたというエピソードも。21年からは中日ドラゴンズのドアラとも協賛している。スケッチブックと言えば「図案スケッチブック」と、その名を不動のものにしている。
長く愛用されてきたのにも訳がある。紙をすく抄造(しょうぞう)と呼ばれる工程の段階からこだわった紙質が特徴。手で触れると少しザラザラしている紙の表面は“シボ”と呼ばれる凹凸が施してあり、水彩、鉛筆、クレヨン、パステルといったさまざまな画材を紙になじませ、絵の具の鮮やかな発色や描線の自然な立体感を生み出している。さらに、消しゴムをかけても傷みにくく、保存性にも優れ、1つの穴に2本のワイヤが通ったツインワイヤ製本は左右の紙面にズレがなく、スムーズにページがめくれるようになっている。
特徴的な表紙はプロの提案ではなく、当時、学生だった奈良部恵三氏が持ち込んだもの。飽きがこないデザインはその後、65年を経た今も「一度もデザイン変更の声がなかった」(関係者)という完璧さだ。