墨田高札十六番「弥勒寺門前 茶屋 笹や」の巻 江戸の経済と文化の要となった墨田川
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「『ちょいと、銕つぁんじゃあねえか。素通りする気かえ』と、声がかかった。爺いのような塩辛声なのだが、声の主は女である。女といっても七十をこえた凧の骨のような老婆である。これが[笹や]の女あるじで、お熊という。このあたりの名物婆さんだ。」(「寒月六間堀」)
長谷川平蔵が銕三…
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