アラ還は1人前で満腹に 昼間から盛り上がる蒲田の名物「羽付き餃子」の歴史

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蒲田(大田区)①

 西島三重子の「池上線」がヒットしたのは昭和51年。

 当時の池上線は昭和初期の古いタイプで車両は緑色、車内の床は油の染み込んだような木製だった。今では3両編成以外はすべてが新しくなったが、なぜか池上線と聞くと昭和を連想してしまう。それは「池上線」をリアルタイムで聴いていた頃を思い出すからかもしれない。

 その池上線の終着駅、蒲田が今回の舞台。蒲田は五反田以上に昭和感満載である。昼間から盛り上がっている西口バーボン通りに平行する2本のアーケード街はサンロードとサンライズ。これぞ昭和の商店街。バーボン通りに後ろ髪を引かれつつ今日は東口へ。目指すは京急蒲田商店街にある「金春」。羽根付き餃子の店として連日満員御礼。この界隈はここ数年で劇的にキレイになった。

 アタシが高校生くらいの頃は、ガンつけたのなんだのって路地裏に引っ張られてカツアゲ大会。パッチギ蒲田編といったとこ。今日は名物羽根付き焼き餃子(330円)に生ビール(583円)。蒲田には金春のほかに你好、歓迎の3店舗がグループとして共存している。

 你好の創業者の八木さんが昭和58年に考案したのが名物羽根付き餃子。これが人気になり、羽田に降り立った日本中の人が蒲田経由で餃子を食べてから目的地に向かうと言われたほど。大ぶりで手作りの皮にくるまれた餃子は1人前6個。アタシらアラ還はそれだけで満腹だ。

 通し営業ということで昼3時ごろに行くと、女性客が多いことに気が付いた。4、5人で大皿に焼き餃子を6人前くらい重ねて景気よくビールを飲んでいる。今や女子の昼飲みは市民権を得た感がある。

 聞き耳を立てると、今夜のおかずは生水餃子のテイクアウトで済ます作戦らしい。1パック10個で550円。「2つあれば亭主も子供も十分だわよ!」。元気な女子たちを後にして周辺を散策。

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