「大森湯」水風呂との温度差101度! ジェットコースター級の落差に…く~、楽しい
「大森湯」(東京・大森)
京浜急行線大森町駅から歩いて3分ほどの「大森湯」は戦後から続く銭湯で、静かな住宅街にうまく調和する。2002年に現オーナーが引き継ぐと、激アツ施設として評判になっている。のれんに浮かぶ「YABAMORI」が熱さの証拠。うー、ゾクゾクする。
靴を脱ぎ、フロントで入浴料520円+サウナ代200円を払うと、サウナ用バンドを受け取った。手ぶらセットは270円、貸しタオルは1枚30円。
服を脱ぎ、大村崑のオロナミンCのポスターに懐かしさを覚えて浴場へ。正面には竹林の壁絵が女湯まで広がっていた。
42度の白湯はバイブラの天然トルマリン風呂。壁の遠赤外線ライト2つに照らされ、湯が赤い。2つの座風呂は水深100センチ。そのひとつに体を沈め、背中、腰、ふくらはぎ、足裏をボボボ。
隣は日替わり薬湯で、この日は奇麗なワインレッド色の甘草の湯。つま先をつけると、「うわ、アチーッ」。バイブラの湯は何と46度! 恐る恐る腰までつかるが、さすがにギブでした。
薬湯を逃げてサウナに向かうとは、さすが「ヤバ森」。ネジを巻き上げてビート板を手に入室すると、「うおっ」といきなりの激アツ熱波。疲れた58歳も目を丸くする116度!
「コロナ禍で密を避けるため、回転を速くしようと設定温度を上げたのが功を奏しました」とこわもてながら温和な2代目の田邉一繁さんが笑った。
レンガと白木造りでストレート2段ベンチは定員6人。上段に空席を見つけてどっこいしょ。マットが敷かれた座面は奥行き広く、ゆったりとあぐらをかけた。ベンチ正面の遠赤外線ガスストーブの上には、ヒノキ油の入ったヤカンが2つ。湿度がほどよく、室外にあったアロマスプレーを壁のヴィヒタにひと吹きすると、心地よい香りがふんわりと鼻に抜けた。
「ヴィヒタとかは、ヤバ森ファンの僕たちが持ってきたんです」と常連のよしおさん。平日夕方過ぎでも客足は途切れることなく、若者から年配まで熱波を受けていく。