ドラえもんを本気でつくる気鋭の研究者に聞いた 「心」を持たせることはできるのですか?
「人型でスムーズな会話が可能という触れ込みのロボットがあったとして、いざ使ってみるとチグハグな部分があれば、ガッカリしませんか。しかし、我々のロボットならイメージとのギャップを生みにくく、愛着を抱かせやすい。このロボットはそれ単体ではなく、人と交流することで初めて真価を発揮するのです。人と相互作用するAIの分野を『HAI(ヒューマンエージェントインタラクション)』といい、世界で注目を集めているんですよ」
──先ほどの話からするに、日本人とHAIの親和性は高い、と。
「具体的なデータはありませんが、HAIを受け入れる土台はあると思います。研究面では日本の論文が圧倒的な割合を占めていて、世界的な評価を得ています。HAIを追求した先に、ドラえもんがいるのです」
──現段階ではどのような研究を。
「このロボットは実験用で、触れ合う中で人がどのような反応をするのかを研究しています。これが土台のようでいて、最後までずっと突き詰めていくことになる。同時に知能のプログラム構築や、社会でどのように役立つのかも研究しています」