異次元にズレた少子化対策 保険料上乗せ月額500円はマヤカシ…「実質的な負担」増は確実
国民に実質的な負担は生じないという触れ込みだったが――。岸田首相が唱える「異次元の少子化対策」の関連法案が16日閣議決定され、衆院に提出された。
児童手当や育児休業給付の拡充など、これまでと“同次元”の少子化対策に今後3年間で約3兆6000億円の財源が必要になるため、法案には「子ども・子育て支援金制度」の創設も盛り込まれている。
支援金制度は、医療保険料に上乗せして徴収する仕組み。2026年度に6000億円、27年度に8000億円、28年度に1兆円と段階的に引き上げて徴収する。上乗せ徴収額は初年度が1人当たり月平均300円弱で、28年度には500円弱になるという。
毎月500円ということは、年間で6000円。共働き世帯なら年間1万2000円を新たに徴収されることになる。税金か保険料かの違いだけで、どう考えても「実質的な負担」は増す。しかも、500円で済まない可能性が高いのだ。
徴収額は加入している医療保険や所得、現役世帯か高齢者世帯かによっても変わってくる。