上場企業半数「新卒初任給の引き上げ」で生じるひずみ…コロナ後の売り手市場で“腫れ物扱い”問題も
〈優秀な新卒を入れようとして初任給を上げた結果、僻地に飛ばされ毎年資格を取らされ激務をこなしている5~9年目あたりが新入社員と給与が変わらないことに憤慨しごそっと辞めてるの、頭悪すぎる〉
先日、そんなXの投稿が、〈ウチも同じ〉〈最近どこの会社でも起きているあるある〉などと話題になっていた。
2月26日発表の「マイナビ2025年卒 企業新卒採用予定調査」によると、初任給の引き上げを行う予定の上場企業は49.3%と、ほぼ半数。アフターコロナの売り手市場はまだまだ続くようだが、“ひずみ”も生じ始めているわけだ。
ある大手メーカー人事担当者はこう明かす。
「いつの時代も優秀な人材はひと握り。そのうえ少子化で、ますます限られたパイの奪い合いに。初任給を引き上げ、苦労して採用したのに、すぐ辞められても困るからと“お客さん扱い”する。そのせいで、なかなか新人が育たないという問題も起きているんです」
それでなくても“ハラスメント”にうるさい時代だ。新人をビシビシしごいて鍛えていくわけにもいかない。