オシャレなカフェが「60代を採用したい」という苦しい事情
それにしても、この店に60代半ばの私は不釣り合いに思えるが……。
「実は今回は60代の人を採用したいのです」と有田さんはきっぱり。どういうことか?
「バイトの学生たちは遊び盛りで土日勤務を敬遠する。勤務の3時間前に“体調が悪いので休ませて”と連絡してくるケースも少なくありません。その点、60代の方なら約束どおり勤務してくれるはずだから安心です」
営業時間は午前9時~午後7時で時給は1200円。「土日に6時間以上働いてほしい」という。仕事は飲み物や料理を作り、客席に運ぶ。味付けは有田さんが作ったレシピに従えばいい。重い荷物を運ぶなどの過重労働はない。
店はセルフレジを導入しているため会計の手間はない。ただし機械がトラブルを起こしたらシステムを更新して元の状態に戻さなければならない。
■若者の問題点
若者にはいくつか問題があるそうだ。真面目そうな子なので採用しても、半年もすると仕事中にスタッフ同士で世間話をするようになる。話に夢中になって客の要望に気づかず放置してしまうことも。料理を運んで料理名を告げ「ごゆっくりどうぞ」と言葉を添えるよう指導しているが、それもおざなりになってくる。