中高年の無理な脂質カットは体を悪くする…メタボ悪玉論で“ヤリ玉”に挙がる脂肪の正しい知識
アスリートは、スピードや瞬発力を求めて脂肪をそぎ落とす。サッカーや陸上などのトップ選手は、1ケタ台の体脂肪率が当たり前だが、2月の大阪マラソンを制した国学院大陸上部の平林清澄は、何と3%! 一般の人がマネする必要はないが、メタボ悪玉論との兼ね合いでヤリ玉に挙がる脂肪は、意外にも体に不可欠な一面もあるという。
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マラソン界に現れたニューヒーローは初マラソンの勝負どころである30キロを過ぎても笑顔で駆け抜けていった。
初マラソンとは思えない走りでゴールテープを切った記録は、初マラソン日本最高記録、日本学生新記録となる2時間6分18秒。終盤でも衰えない軽い走りは、陸上ファンの話題を呼んだ。
ベールを脱いだスターの生活を報じたのは、日本テレビ系で15日に放送された「news every.」。食生活とともに明らかにされた体脂肪率は驚異的な3%だった。168センチ、44キロ。今年4年で、主将として部員を引っ張るチームの大黒柱は、失礼ながら女性のような体格だ。
「(体脂肪率を)測って3.0(%)なんですけど、機械が3.0までしか出ないらしくて、人間の生命維持活動の限界みたいな。命、削って走っています」
チーム全体の平均が7%というから、平林のスリムぶりは突出していることが分かる。「軽さを生かした安定性」を追い求めて磨き上げた肉体だという。
■「食べていかないと追いつかない」
自ら「命、削って」と語っているように、食事の重要性はしっかりと認識。「(走ったりすれば)エネルギーがなくなっていくので、食べていかないと追いつかない」と、その日は合宿所の夕飯にチーズハンバーグ、ジャガイモとツナの煮物、イタリアンサラダ、コンソメスープをおかずに350グラムの米を平らげ、パイナップルも口にしたそうだ。
当然だが、シロウトが食事だけ極端に減らして減量しようとするのとはまったく違う。そのときのベストなコンディションを求め、トレーニングと食事を綿密にバランスしているのだ。
このほどサッカー日本代表に復帰した長友佑都(37)は5年前、日清オイリオのCM撮影で体組成計に乗ったところ、8.5%と表示され、現場を驚かせた。
スピードと瞬発力を追求するアスリートは極限まで脂肪をそぎ落としているが、そんなトップ選手の報道や脱メタボの流れに乗って、脂肪を悪玉視し過ぎるのはよくないという。