早期退職でUターン…運転が好きなだけでは「運転代行」の仕事は長続きしない

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運転代行編

 東京を引き払って故郷でバイト生活を始める人がいる。61歳の日暮さん(仮名)もその一人だ。精密機器の会社で長年営業職として勤めてきたが、2年前に早期退職し、妻とともに北関東の実家にUターンした。

 選んだバイトは運転代行業。居酒屋などにクルマで出かけて酒を飲んだ客の代わりに運転して家に送り届ける仕事だ。同僚の相棒とコンビを組み、日暮さんが客のクルマを運転し、相棒は軽自動車であとを追いかける。客を送り届けたら軽自動車に乗って戻る。客のクルマを運転する人を「前乗り」、追いかけるのを「後乗り」と呼ぶ。ナイトクラブやスナックから電話で呼ばれることが多い。

 客が支払う料金は「初乗り」が2000円。これに1キロごとに200円が加算される。たとえば5キロの場合は3000円。その中から前乗りの人は45%の1350円、後乗りは30%の900円を歩合給として受け取る。残りが会社の取り分だ。

「クルマ好きの人にピッタリの仕事ですよ」と日暮さん。田舎町ながら客はさまざまなクルマを所有している。キャデラックやベンツ、BMWなどがごろごろ。納車されたばかりの新車の高級車を運転することもあり、カーマニアの日暮さんは感激にひたりつつハンドルを握る。

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