就職氷河期世代「年金額月5万円未満」の衝撃…議論進まぬ無年金、低年金問題に悲痛な叫び
《結局、生まれてきた時代が悪かったのか》《今どきの「ガチャ」でいえば、「最悪の外れガチャ」だったと》ーー。SNS上では切実な叫び声が目立つ。5年に1度行われる年金財政検証で、いわゆる就職「氷河期世代」の低年金対策などが課題に挙がったことだ。
政府の推計だと、氷河期世代にあたる1974年度生まれの50歳の人が65歳時点で受け取る年金額(現在の物価水準ベース)は、全体の39.1%が月10万円未満。うち、18.1%が月7万円未満、5.7%は月5万円未満になる可能性があるという。
就職氷河期で正規雇用の機会を逃したため、非正規雇用が長く続き、年金加入期間が短くなったためだが、この氷河期世代の低年金問題の議論は今に始まった事ではない。
今から16年前の2008年4月。シンクタンクの総合研究開発機構(NIRA)はこんな衝撃的な試算を公表している。
■就職氷河期の労働者が老後を迎えた場合、77万4000人が生活保護受給者に
1993年から約10年の間に学卒・就職活動を迎えた就職氷河期の非正規雇用の労働者が老後(65歳以上)を迎えた場合、77万4000人が生活保護受給者となり、そのための財政支出が20兆円に上るとしたのだ。