福井県立図書館(福井市)緑の庭園や開放的な空間で読書が楽しめる
コンセプトは「緑の中の庭園図書館」。
7万平方メートルもある広大な敷地は芝生に覆われ、まるで庭園のよう。周囲にはケヤキ、アラカシ、ヤマモミジ、ノムラモミジ、ナンキンハゼなどの落葉樹や常緑樹が植えられていて、四季の移ろいを感じながら、冬でも緑を満喫できる。建物の周辺には水辺もある、そんな庭園の中央に鎮座するのが今回の福井県立図書館だ。
建物は図書館、文書館、ふるさと文学館の3館からなり、中央には中庭、ふるさと文学館と図書館の間にはテラスがある。
「テラスや中庭にはベンチやテーブル席がありますので、陽気の良い季節には、開放感のある空間で読書を楽しんでいただくこともできます」とは副館長の高村美由紀さん。
設計は幕張メッセや六本木ヒルズなども手掛けた建築家の槇文彦氏。開架エリアや閲覧スペースなど来館者が利用するのは1階のワンフロアで、天井の高さは7メートル。床から天井と、天井を支える柱の上はガラス張りになっている。
「晴れた日は日差しが館内に入りますし、明るく開放的な空間になっています。本棚と本棚の間の通路は、車椅子がスレ違うのに十分な幅を取ってありますので、ゆったりと本を探していただけると思います。庭園に面したソファで本を読みながら景色を楽しんだり、文学、人文科学、自然科学、社会科学に分かれた一般資料コーナーの窓側には閲覧席がありますので、読書をしたり勉強したり……フリーWi-Fiも利用できます」(高村さん)