「褒めるのはみんなの前で」は不正解…優秀な社員ほど自己評価が低いのか?
明大講師の関修氏(心理学)はこう言う。
「SNS時代に育った若者は、ネット上でも学校生活でも“出る杭は打たれる”ことを身に染みて分かっています。それも観察力があって状況判断ができる優秀な子ほど、いじめなどのトラブルを回避するために〈抜きん出てはいけない〉とリスクヘッジしがちです。あえて自分を低く見せているタイプをその気にさせるには、まずは褒めて自己肯定感を高めるところからでしょう」
新卒スカウトサイトのFuture Finderを運営するジェイックが、来年卒業予定の学生を対象に実施した調査「面接でほめられると嬉しいポイント」によると、〈人柄の魅力(誠実さ、協調性、リーダーシップなど)〉が約85%で断トツ。〈人生観・価値観(人生や人間関係で大切にしていることなど)〉が54%で続く。
「とはいえ、ただ褒めればいいというものでもない。昭和世代は〈褒めるのはみんなの前で、叱るのは個別で〉と言われてきたでしょうが、令和の時代は〈褒めるのは個別で〉が正解でしょうね。1人だけ目立ってはいけないという同調圧力の中で生きてきた若者にとって、大勢の前で褒められて注目を浴びることは、逆に苦痛になる可能性があります」(関修氏)
イマドキは「褒めるのは個別で、叱るのは……やめておく」が正解か。