高額療養費「見直し白紙」でも残る「当事者置き去り」不安…患者団体の審議会入りを石破首相は保留
「患者の方々にご納得いただけない限り、これ(引き上げ)はやってはならない」──。高額療養費制度の負担上限額の見直しについて、石破首相は10日の参院予算委員会で、そう断言した。とはいえ、当事者が再び置き去りにされないか、一抹の不安は残る。
石破首相は先週7日、今年8月に予定していた負担上限の引き上げ見送りを表明。今年から再来年にかけ3段階で引き上げる当初案を白紙に戻した。今後、療養費制度のあり方について患者の意見を踏まえながら再検討し、今秋までに結論を得る考えだが、肝心の議論の行方は見通せない。
当初案では年収700万円の場合、負担上限が現行の月額8万100円から、8万8200円(今年)→11万3400円(来年)→13万8600円(再来年)の3段階を経て跳ね上がる予定だった。
ひとまず白紙になったものの、政府は「ある意味、フリーハンド」(厚労省幹部)の立場だ。喉元過ぎれば何とやらで、似たような案が出てきては元も子もない。