東京計器 安藤毅社長(6)国から157億円の一括返還を求められ会社に大激震が
明治から続く、老舗精密機器メーカーの東京計器。1999年、防衛省(当時は防衛庁)関連の事業で、問題が発覚する“激震”に見舞われた。当時新規事業を手がけていた安藤毅社長も、この激震を契機とした同社の経営再建に巻き込まれていくことになる。
「防衛装備品の調達契約に問題があり、157億円を一括で国に返還することになったのです」
この問題から東京計器(当時の社名はトキメック)は経営再建に取り組むことになり、取引銀行からも再建支援の人材が役員として赴任。経営再建に向けて各部署でヒアリングを実施した。
「そのヒアリングで、私はかなり批判的な意見を述べました。すると、そんなに批判するのなら自分で再建に取り組みなさいということになり、社長室のスタッフに異動することになりました」と、安藤氏。01年のことだ。
■子会社の経営再建に立ち向かう
社長室のスタッフとして働いていた安藤氏は翌年、ある子会社の立て直しのため、社長として送り込まれることになった。