東京計器 安藤毅社長(6)国から157億円の一括返還を求められ会社に大激震が
製造業という自分たちのなりわいを考えたとき、新製品を開発して、新しい収益源に育てていくというサイクルは、どうしても止めたくない。だが利益を上げていない会社は、開発に大きな投資を割くことはできない。
「未来に向けた投資のタネを生み出すために、今はコストカットや効率化を辛抱してほしいと、従業員に話していました」
こうした努力の甲斐あって、翌年どうにか黒字となり、黒字を維持しながら4年ほどかけてこの会社の経営を再建。安藤氏は本社の社長室に戻ることになった。
ところが安藤氏が離れた後に再び経営が不安定になり、2010年、結局この会社は東京計器本体に吸収合併されることになった。
この吸収された技術メンバーが、新しい事業のタネを創り出していくストーリーは、回を改めて紹介しよう。(つづく)
(ジャーナリスト・五嶋正風)