オリオン 小西靖宏社長(1)パロディー菓子の老舗で成長し続ける老舗企業
あいみょんのSNSで拡散したことも
数年前、あいみょんがココアシガレットをくわえた写真をSNSに投稿して話題になったこともある。それは、ココアシガレットの存在が多くの人の思い出に刻まれていたからだろう。
そして次にヒットしたのが「梅ミンツ」。ココアシガレットの相方は……と試行錯誤し、パッケージはライターをマネた。当時売れていたダンヒルのライターの形を原型にし、中身を大人が当時よくかんでいた梅仁丹を参考にしたらやはり大ヒットした。大人への憧れをうまく商品に反映できたことが成功の秘訣だった。そして「ミニコーラ」。
「1970年、コーラが瓶から缶に変わり、価格も100円になりました。大人にとっては身近な存在になりつつあったコーラでしたが、子供にとってはまだまだ憧れの存在でした。そこで『ミニコーラ』は、コーラの缶のイメージで赤地に白の筆記体『Mini Cola』と容器にデザインし、コーラ味のラムネを入れました。こだわりは、見た目や味だけではありません。大人の真似をできるように、開け口をプルトップにしました。プルトップをカチッと開けるしぐさこそ、子供の憧れ。ラムネを飲み干すように食べてくれました」
子供たちが求めていたもの、憧れていたものを形にしたらピッタリ合致し、ロングセラー商品として成長したわけだ。
「『ミニコーラ』は、今なお年間2000万個以上の売り上げを維持しています。ロングセラー商品へと成長したうちの看板ロングセラー商品です」 =つづく
(ジャーナリスト・中西美穂)