著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

アルツハイマー新薬レカネマブが販売開始 高価格だけどエーザイが「それでも不満」の背景

公開日: 更新日:

 アルツハイマー病新薬の国内販売が20日から始まった。「レカネマブ」(製品名レケンビ)だ。エーザイと米バイオジェンが共同開発したもので、脳内に蓄積されたアルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドβ」を取り除くよう設計されたバイオ医薬品だ。

 レカネマブが発売されるのは、一足早く承認された米国に次いで世界2カ国目。エーザイでは欧州や中国など12の国と地域でも承認申請を準備中で、早期の普及を目指す。

 驚くのは価格だ。中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)が保険適用に当たって承認した薬価(公定価格)は、体重50キロの患者の場合で年間298万円。ハイブリッド車仕様のトヨタ「カローラ」がほぼ買える値段だ。

 レカネマブは体重によって投与量が変わる。体重1キロ当たり10ミリグラムを2週間に1回、約1時間かけて点滴で投与する。中医協では今回、製造コストや臨床試験の経費などから200ミリグラム入り1瓶を4万5777円、500ミリグラム入りを11万4443円と査定。これをもとにすると298万円になるという。

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