家一軒分? 子供が大学までにかかる「リアルな費用」を算出 第3子の児童手当648万円も焼け石
大橋巨泉さん(2016年死去)が生前、こんなことを話してくれた。「人間というのはしょせん、子孫を残すことでしか価値はない。未来の子が生命の謎や諸問題を解決してくれるかもしれない」
大橋さんは、「社会全体で教育に力を」とポツリと漏らしていた。政府が公表した「異次元の少子化対策」はどうか?
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岸田政権が重要政策として掲げる「異次元の少子化対策」。先日、「こども未来戦略」の素案が発表され、多子世帯の大学無償化や児童手当の拡充が話題になっている。約3.6兆円の必要経費は2026年度以降に“増税”などで賄う予定だ。
大学無償化については「3人以上の子供がいる多子世帯」が対象。所得制限は設けず、授業料を国公立大は年54万円、私立大は年70万円を上限に補助。短大や専門学校も含める予定。さらに大きいのが子供手当の拡充。今は0歳から15歳まで最大198万円(第3子以降は最大252万円)が補助されている。
「支給対象は中学校卒業までの児童を養育している方。毎年6月、10月、2月に4カ月分の手当を支給します」(こども家庭庁)
この児童手当の支給対象を2024年12月から高校生まで延長。0歳から2歳までは月1.5万円、3歳~小学生が月1万円と金額こそ今と変わらないが、高校生も月1万円の支給となる。つまり、子1人当たり最大198万円だった児童手当が、1年後から234万円へと36万円(高校生分)多くなる。
さらに第3子以降は“スペシャル・プライス”。0歳から18歳まで月3万円支給となり、生まれ月にもよるが最大648万円の大盤振る舞い。所得制限も撤廃される。
具体名を出して申し訳ないが、タレントの辻希美さんは夫の杉浦太陽さんとの間に1女3男の4人のお子さんがいる。年間の児童手当だけで96万円(第1子と2子は年12万円ずつ、3子と4子が年36万円ずつ)が入る。
だが、いくら648万円の児童手当をもらえるからといって、子供にかかるお金はそれ以上。また、民主党政権下の2010年に「子ども手当」が創設された際、扶養者控除が縮小されたように、政権が代われば月3万円の児童手当もどうなるのかわからない。