家一軒分? 子供が大学までにかかる「リアルな費用」を算出 第3子の児童手当648万円も焼け石

公開日: 更新日:

 大橋巨泉さん(2016年死去)が生前、こんなことを話してくれた。「人間というのはしょせん、子孫を残すことでしか価値はない。未来の子が生命の謎や諸問題を解決してくれるかもしれない」

 大橋さんは、「社会全体で教育に力を」とポツリと漏らしていた。政府が公表した「異次元の少子化対策」はどうか?

 ◇  ◇  ◇

 岸田政権が重要政策として掲げる「異次元の少子化対策」。先日、「こども未来戦略」の素案が発表され、多子世帯の大学無償化や児童手当の拡充が話題になっている。約3.6兆円の必要経費は2026年度以降に“増税”などで賄う予定だ。

 大学無償化については「3人以上の子供がいる多子世帯」が対象。所得制限は設けず、授業料を国公立大は年54万円、私立大は年70万円を上限に補助。短大や専門学校も含める予定。さらに大きいのが子供手当の拡充。今は0歳から15歳まで最大198万円(第3子以降は最大252万円)が補助されている。

「支給対象は中学校卒業までの児童を養育している方。毎年6月、10月、2月に4カ月分の手当を支給します」(こども家庭庁)

 この児童手当の支給対象を2024年12月から高校生まで延長。0歳から2歳までは月1.5万円、3歳~小学生が月1万円と金額こそ今と変わらないが、高校生も月1万円の支給となる。つまり、子1人当たり最大198万円だった児童手当が、1年後から234万円へと36万円(高校生分)多くなる。

 さらに第3子以降は“スペシャル・プライス”。0歳から18歳まで月3万円支給となり、生まれ月にもよるが最大648万円の大盤振る舞い。所得制限も撤廃される。

 具体名を出して申し訳ないが、タレントの辻希美さんは夫の杉浦太陽さんとの間に1女3男の4人のお子さんがいる。年間の児童手当だけで96万円(第1子と2子は年12万円ずつ、3子と4子が年36万円ずつ)が入る。

 だが、いくら648万円の児童手当をもらえるからといって、子供にかかるお金はそれ以上。また、民主党政権下の2010年に「子ども手当」が創設された際、扶養者控除が縮小されたように、政権が代われば月3万円の児童手当もどうなるのかわからない。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実

  2. 2

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  3. 3

    斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散

  4. 4

    シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    悠仁さまの処遇めぐり保護者間で高まる懸念…筑付高は東大推薦入試で公平性を担保できるのか

  3. 8

    異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

  4. 9

    誰かがタレ込んだ? 国民民主党・玉木代表と元グラドルの密会不倫報道を巡る「新たな陰謀説」浮上

  5. 10

    「資格確認書」利用で窓口負担増の“ペナルティー”を政府検討 露骨な格差に識者も怒り露わに会員限定記事

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇