金額ベースで過去最高に!「上場廃止」企業が増加するウラ側
新年早々、バブル後の最高値を更新し、にぎわいを見せている株式市場。ただその裏で、有名企業が次々と「退場」していることをご存じか。
昨年11月にはシダックス、ベネッセHD、大正製薬HDといった名の知れた企業がMBOによる上場廃止を発表したものだ。
MBOとは、マネジメント・バイアウトの略称で、経営陣などが自社の株式や事業部門を買収して独立することを指し、株式を非公開化する手法の一つである。「経営陣による買収」とも呼ばれている。
2023年のMBOは件数ベースで17件、金額ベースでは1兆4000億円超となり、過去最高に達した。
なぜいま、MBOが増加しているのだろうか。
業績が順調な企業にとって上場はステータスであるが経営不振企業にとって上場維持は大きな負担になっている。
東証は昨年3月、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業に改善策を開示・実施するよう要請したが、こうした株価が安い企業への圧力が強まっている。