2030、34年の冬季五輪招致断念で札幌市は岐路に…再開発事業に延期や中止が目立ち始める
2030、34年の冬季五輪・パラリンピックの招致を断念した札幌市。冬季五輪に合わせた北海道新幹線の札幌駅までの延伸予定も招致断念で延期の話も出てきている。五輪招致で経済効果を期待し、札幌中心部で大規模な再開発が進められてきたが、招致断念を発表以降、札幌市の再開発はいま大きな岐路に立たされている。
札幌市中心部の大型再開発計画は目白押しだ。24年5月にサッポロ不動産開発が8階建ての「創成クロス」を竣工予定、ヒューリックはホテルなどが入る20階建て複合ビルを25年6月に竣工予定、三菱地所は25年度に完成を目指しホテルが入る複合ビルを、NTT都市開発は26年6月竣工予定で26階建ての高層複合ビルを建設中だ。
ヨドバシHDは28年度完成予定の35階建ての大型複合ビルの建設を計画。また、JR北海道は29年秋の開業予定で地上46階、地下4階、高さ250メートルという道内最高の複合ビル「札幌新幹線駅ビル」を計画している。
五輪と新幹線の札幌への延伸で札幌中心部の再開発が進められてきたのだが、こうした再開発計画がいま滞り始めているというのがニッセイ基礎研究所の吉田資・主任研究員だ。その原因をこう説明する。