万博協会は「責任者がどこにもいない」寄り合い所帯…会場建設現場の危機感が共有されず

公開日: 更新日:

「『いのち輝く未来社会のデザイン』という大阪・関西万博のテーマと逆行しています」──。万博の会場建設に追われる作業員らの労働環境について、パビリオン設計を担当する1級建築士は、日刊ゲンダイにそう吐露した。

 来年4月の開幕を控え、建設業界の慢性的な人手不足と各種パビリオンの工期遅れのせいで、現場作業員は残業を強いられている。問題は、予定通りの開催をゴリ押しする国や日本国際博覧会協会(万博協会)、大阪府・市に、「労働災害が頻発しかねない」という現場の懸念が伝わっていないことだ。

 関西経済連合会の松本正義会長は先週9日、会見で「建設会社はけしからん」「万博を成功させようというコメントはどこにもない」などと怒りをにじませた。万博協会の副会長に名を連ねているクセに、強行開催の責任を棚に上げて建設業界に逆ギレするとは、一体、何様なのか。お門違いも甚だしい。

 パビリオン設計を担当する1級建築士がこう指摘する。

■共有されない現場の危機感

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

  3. 3
    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

  4. 4
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  5. 5
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  3. 8
    ドジャース山本由伸に降りかかる不正投球を疑う目 マウンドでの危険な振る舞いは命取りにも

    ドジャース山本由伸に降りかかる不正投球を疑う目 マウンドでの危険な振る舞いは命取りにも

  4. 9
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 10
    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと