大阪万博 「弁当持ち込みNG」で飲食店は行列確実…05年愛知万博では来場者の苦情でOKに
「お腹減ったよー! ご飯まだー?」「みんな並んでるから我慢しとき!」
2025年大阪・関西万博の会場では、こんな親子の会話がそこかしこで聞こえてきそうだ。
日本国際博覧会協会(万博協会)は12日、万博会場内の〈持込禁止物・禁止行為に関する来場者向け規約〉を公表。「食品全般」を持ち込み禁止と明記した。ベビーフードや幼児のおやつ、アレルギーや宗教上の理由などがある場合、学校団体の弁当などの例外を除き、食品は持ち込めない。
当然、家庭で作った弁当の持参もダメ。万博協会は「食中毒発生のリスクや検査物の量が増え、入場ゲート前で混雑が発生する恐れがあるため」(広報担当)と説明するが、会場内の飲食店だけで来場者のお腹を満たせるとは考えにくい。
現在、万博会場内に用意される飲食店はレストランやカフェ、フードコートなどを含め計63店舗。コンビニや物販を含めると、飲食物を扱う店は計84店舗に上る。これに各種パビリオン内の飲食店が加わる。
仮に万博参加を表明している160カ国・地域が軒並み飲食店を設置したとしても、会場内の飲食店及び物販店は好意的に見積もって約200店舗。05年の愛知万博では、計237の飲食店と食品販売店が用意されたが、来場者からレストランへの行列に苦情が寄せられ、弁当の持ち込み禁止が一転、家庭で調理されたものに限り持ち込み可となった経緯がある。