深刻化する後継者不足…J.フロントが3月に始める「事業継承ファンド」の狙いとは?

公開日: 更新日:

「経営者の病気や死亡による倒産が最多ですが、コロナ禍から事業承継を諦め、自分の代で終わらせるケースが増え始めています。また、物価高でも価格転嫁、賃金アップできずに優秀な社員がスカウトされ人材不足から倒産するケースも見られます」

 同社調査によると社長の平均年齢は60.4歳。次期社長が実際に引き継ぐまでに10年といわれ、高齢の上に業績不振が重なり引き継ぎリスクが大きいことも後継者難の大きな原因だという。そのうえで事業承継ファンドの設立をこう述べる。

「百貨店は全国の老舗ブランドを扱っています。こうした企業が後継者不足で供給できなくなれば商品に魅力がなくなり、自社取引に大きな影響を受ける。特徴ある産業を維持するため、自らファンドを設立し支援していくということでしょう」

 ファンドの設立は自らのビジネスを守ることにつながるのだ。百貨店の売り上げの多くは、年間必ず高額商品を購入する外商部門の顧客に賄われている。東レ経営研究所の永井知美チーフアナリストが説明する。


「外商部門は中小企業の裕福なオーナーが多いのですが、こうした富裕層が高齢で後継者に苦労している企業が多いと聞きます。企業がなくなれば商品を扱えなくなるため、オーナーから頼まれてファンドで支援するということも多いと思います」

 新たなファンドの設立が地域経済の活性化に貢献することが期待される。

(ジャーナリスト・木野活明)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ

  2. 7

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  3. 8

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  4. 9

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  5. 10

    芳根京子も2クール連続主演だが…「波うららかに、めおと日和」高橋努も“岡部ママ”でビッグウエーブ到来!