ブラザー工業に丸和HD…東京株式市場で「闇討ち」「辻斬り」のような同意なき買収が続発
一方C&Fを巡ってAZ丸和はTOB価格を3000円に設定した。買収提案公表直前のC&F株の終値に47%のプレミアムを乗せた水準。総額650億円で過半数の取得を狙う。
C&Fの実質筆頭株主は発行株の6.69%を持つマルハニチロ。4.84%の3位株主には主力行の農林中央金庫も名を連ねる。TOBの成否は「これら大株主の意向に左右される」というのが市場関係者らの見立てだ。
もっとも、「闇討ち」とはいっても両事案とも「いきなり背中から斬り付けるような全くの不意打ちではない」(ブラザー関係者)。AZ丸和は2022年秋からC&Fに買収を打診。ブラザーも23年9月にローランドDGに全株取得を正式に申し入れている。ただ、いずれも「シナジーが薄い」などとして被買収候補先から難色を示され、半ばたなざらしとなっていた。やむなく強硬手段に打って出た形だが、着地点は限りなく不透明だ。