著者のコラム一覧
小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

目指すはスイッチゼロ!Google初搭載のホンダ新型アコードでクルマのスマホ化ついに本格化?

公開日: 更新日:

ホンダ アコード(車両価格:\5,449,400/税込み~)

「究極はスイッチゼロです。法的にはハザードやデフロスタースイッチが必要ですが、操作はなるべく音声で済ませたいですし、指でやった方が早いじゃん!とならないためにもスイッチを極力減らし、認識感度も上げてます」(アコード開発者)。

 秘かに画期的なクルマが登場していた。11代目新型ホンダアコード。70年代に初登場した歴史的セダンで、昨今のセダン離れから月販目標は200台と少ないがクルマのデキはいいし、走りも上質。

 何より凄いのは、デジタル化で国産車メーカーとして「車載グーグル」を国内初導入。簡単に言っちゃうと、純正ナビが大型のグーグルスマホになっちゃったようなもんだ。

 これまでもアップルカープレイやアンドロイドオートなど、車内でスマホ的に使える機能はあったが、今回はレベルが違う。

グーグルアシスタントの日本語文字起こしは相当正確

 センターの12.3インチディスプレイは各種車両設定もできるが、基本的にはスマホライクに使える。具体的には地図は「グーグルマップ」でホンダ純正ナビはなく、サードパーティーを含めてアプリを入れられる「Playストア」があり、最も重要なのは音声認識アプリの「グーグルアシスタント」。運転中にディスプレイを見てタッチしてはいけない車載用だけに、基本的に音声操作の多用を前提に作られている。

 グーグルアシスタントもスマホ用より高精度にできてるようで、日本語文字起こしは相当正確。

 合わせて日本向けアコードはインパネセンターに専用のエクスペリエンスセレクションダイヤルを用意。これはスマホでいうショートカットキーのようなもので、予め個人で設定した「エアコン」「オーディオ」「アンビエントライト」設定にイッキに飛べる。乗るなり好みの涼しさ、好みのラジオ曲、好みのライティングを一発選択できるのだ。

 同時にアコードが重視したのはスイッチ数。ハザードやウィンカー、ワイパースイッチなど除き、エアコンやオーディオ操作などはモニターを通じて設定させるようになっており、当然エアコン用ハードスイッチはない。

 だが真夏の車内に入るとイキなり気温40度だったり、真冬だと寒かったりして温度調節はかなり重要。そのため個人設定はもちろんダイヤル上で「あたたかめAUTO」や「すずしめAUTO」も即座に選べるようになっているのだ。

SUVに興味のない年配層にはもったいないくらいのデキ

 さらに重要なのは、PLAYストアからダウンロードできるアプリで、スポティファイやアマゾンミュージックはもちろん、YouTubeミュージックも使える。他にも海外のサードパーティー系ラジオアプリも選べるようで、このあたりは画期的。

 残念なのはまだLINEやmessengerなどSNS未対応なことで、これらが音声操作で使えるとリアルな走るスマホ的になるはず。

 そのほか車両サイズこそデカくなったが、走りのカッチリ感は上がり、自慢の2ℓハイブリッドのe:HEVも大幅進化して、電動スッキリ感は倍増。

 先進安全も最新の全方位運転支援のホンダセンシング360を初搭載。500万円超えの価格やセダンスタイルはともかく、ホンダの凄さが結集している。SUVに興味のない年配層にはもったいないくらいのでき映えなのだ。

 何より一般的注目は、今後この車載グーグルがどこまでホンダ車に搭載されるかだ。フィットや今年出るはずのコンパクトミニバン、フリードに搭載されたらマジで画期的。クルマが動くスマホのように使える日も、そう遠くないかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    不二家、コージーコーナーも苦戦…街からケーキ屋が減っているワケ

  2. 2

    2025年は「日経平均3000円」と予測…森永卓郎氏に日本経済と株価の行方を聞いた

  3. 3

    急増する大手黒字企業リストラのシビアな背景…2024年「早期・希望退職」1万人超え、前年比3倍に

  4. 4

    「ホープ軒」は千駄ヶ谷で開店50年…牛久保英昭社長に聞く「私の根底にあるのは『お客さんはタクシー運転手』」

  5. 5

    東京女子医大元理事長・岩本絹子容疑者の“守銭奴”ぶり…自宅に現金1.5億円、金塊2キロ、ブランド品の山

  1. 6

    北陸新幹線の大阪延伸は大混乱の極み…京都の仏教会も「千年の愚行」と一喝

  2. 7

    兵庫県知事選で公選法違反疑惑…雲隠れのPR会社女性社長は今何を?斎藤元彦氏まさかの再選から2カ月

  3. 8

    NYダウのバブル崩壊が迫っているのか? アメリカ長期金利が急上昇の不気味

  4. 9

    “絶対に断らない女”山田真貴子元報道官がフジテレビに天下りへ 総務官僚時代に高額接待で猛批判浴びる

  5. 10

    「東京女子医大のプーチン」資金還流の手口とカネへの異様な執着心…元理事長宅に4億円の現金と金塊を保管

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭