岸田政権“ドヤ顔”の定額減税やっぱり効果なし…消費冷え込みクッキリ、長引く物価高

公開日: 更新日:

「日本経済は新たなステージへの力強い移行が続いている」──。マイナス続きだった実質賃金が6月に27カ月ぶりにプラスへ転じたことを受け、岸田首相は胸を張っていたが、何のこっちゃだ。経済指標を見れば、景気の先行きはもとより、景気を支える消費の落ち込みは一目瞭然。肝いりの定額減税も焼け石に水だったのに、よくも「力強い移行」などと言えたものだ。

  ◇  ◇  ◇

 日銀が13日発表した7月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は123.1と、前年同月比3.0%上昇。昨年8月以来、11カ月ぶりの伸び率だった。

 押し上げ要因は、主に政府による電気・ガス代の補助金がいったん終了したことや、天候不順による農林水産物の値上がりなど。企業物価指数は家庭が購入するモノ・サービスの価格の動きを表す消費者物価指数の先行指標だ。先行きについて日銀は「政府の電気・ガス代補助金が8月使用分から再開し、全体の押し下げに働く」と分析しているが、どうなのか。

 経済評論家の斎藤満氏がこう言う。

「7月の輸入物価を見ると、円ベースで前年同月比10.8%プラスです。6月の伸び率よりもさらに高い。円安による輸入コストの押し上げも大きく、政策的、季節的な要因だけでは片づけられません。円安によって原材料価格が上がれば、企業間の取引に影響し、財すなわち物品の価格に跳ね返ってきます。日銀は『物価の番人』たる本来の役割を忘れ、株価本位の動きを見せています。利上げに踏み切ったものの、マーケットの反応におののいて、内田副総裁が『市場が不安定な状況では利上げしない』と修正を図ってしまった。一時的に円高に振れても円安基調に変わりなく、物価高に悩まされる状況が続きそうです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪万博会場の“爆発”リスクはやっぱりヤバい…高濃度メタンガス問題に国や府は安全強調も、識者が疑問符

  2. 2

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 3

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  4. 4

    「いきなり!ステーキ」倒産危機から一転…黒字転換&株主優待復活でも“不透明感”漂うナゼ

  5. 5

    農相が備蓄米の追加放出表明も「中小の米屋には回って来ない」…廃業ラッシュで地域の安定供給が滞る恐れ

  1. 6

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  2. 7

    トランプ大統領「日本でアメ車が売れない」ボヤきのデジャビュ…非課税障壁でっち上げ“市場開放”要求のお門違い

  3. 8

    トランプ関税「交渉役」に大抜擢…石破首相の腹心こと赤沢亮正経済再生相の“ホントの実力”

  4. 9

    「へグセス疑惑」再燃…「有事では日本が前線に」発言の国防長官が危険視される理由

  5. 10

    業界初の女性トップ誕生へ…高知銀行「河合祐子新頭取」の華麗な経歴と意外な一面

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  4. 4

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  5. 5

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  1. 6

    中居正広氏と結託していた「B氏」の生態…チョコプラ松尾駿がものまねしていたコント動画が物議

  2. 7

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  3. 8

    中居正広氏が女子アナを狙い撃ちしたコンプレックスの深淵…ハイスペでなければ満たされない歪んだ欲望

  4. 9

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  5. 10

    SixTONES松村北斗 周回遅れデビューで花開いた「元崖っぷちアイドルの可能性」