1日で4451円下落…8月5日の歴史的な株暴落の裏で何が起こっていたのか
日経平均株価は3万8000円台まで回復し、市場は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然として2番底を警戒する声が強い。
それだけ8月5日の大暴落がすごかったということだが、それにしても、なぜ1日で4451円(12.4%)もの歴史的な下落が生じたのだろうか。裏側のメカニズムはどうなっていたのか。
今回の大暴落の原因は、①米国の景気後退懸念②前週後半の米ハイテク株の続落③7月31日の日銀の追加利上げ④ドル安・円高の進行と解説されている。
しかし、それだけで4000円もの“瞬間的”大暴落は起きない。テクニカルな要因が加わったことが大きい。
まず、再確認しておきたいことは、日本株市場のイビツさだ。海外投資家のシェアが高く、2023年通年でみた場合、現物取引における海外投資家のシェアは約60%、約1199兆円。先物取引となるとシェアは約75%に上昇し、金額は2887兆円にも達している。つまり、海外投資家に命運を握られているのが日本市場なのである。
今回の大暴落は、この海外投資家(主にヘッジファンドなどの投機筋)の主導だった。前記の4つの材料から「ここは絶好の売り場」と判断した彼らは、まとまった金額で先物を売り、先物市場では売買が一時中断される「サーキットブレーカー」が何度も発動されたものだ。