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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

裏テーマはコスパ!マイナーチェンジしたホンダ ヴェゼル新HuNTがヤケにお買い得なワケ

公開日: 更新日:

ホンダ ヴェゼル(車両価格:¥2,648,800/税込み~)

 端正デザインにハイクオリティー内装で人気のコンパクトSUV、ホンダ ヴェゼルが今春3年ぶりにビッグマイナーチェンジ! 先日ふたたび乗ったが、改めて内容に驚かされた。

 まずはヤリ過ぎレベルの全体改良度だ。大抵のマイチェンは動力性能や足回りには手をつけず、手軽に樹脂パーツを変えてリフレッシュを図るモノ。

 ところがマイチェンしたヴェゼルはグリル上部に新しい装飾バーを付けたり、バンパー形状を変えて、より一体感のある顔つきにするほか、リアコンビライトを水平基調デザインに変えると同時にフルLED化。

 内装も主にセンターコンソール周りを一新。上下2段のトレイ形状にしてスマホを運転席のみならず、助手席側から置きやすくするなどマメに改良した。

 それだけじゃない。自慢の1.5ℓハイブリッドe:HEVの制御や足周りまで変更。具体的にはバッテリー使用領域を変えて充電容量をアップ。発電もより周囲がウルサい状況で重点的にやるなど、ハイブリッド制御を変更。加速特性も状況に応じて強化している。

マイチェンというより、ほとんど全面リフレッシュ

 また吸音材をボンネット28%、ダッシュ回り40%、ルーフライニングで倍近くアップ。静粛性が増して電動感が今までより上がっているのだ。

 具体的には、発進時にエンジンがかかりにくくなったのはもちろん、スポーツモード時の加速が絶妙に鋭くなり、エンジンがかかってもかなり静か。ぶっちゃけ「エンジン発電するEV」により近づいている。

 さらに電動パワステやサスペンションダンパーを再設定。ステアリングフィールや乗り心地がスッキリ上質方向に改善。4WD車に関しても駆動力制御を見直し、滑りやすい雪道からの脱出能力を上げている。

 最高出力やトルクなど表面的なスペックこそ変わらないが、明らかに全体の上質感が増している。マイチェンというより、ほとんど全面リフレッシュだ。

 グレード構成も見直し、前期モデルでは不満もあったツートンカラーのPLaYグレードを、上級グレード「e:HEV Z」のPLaYパッケージに変更。前には選べなかった四駆や左右独立エアコン、アダプティブドライビングビームを備えて不満をなくした。

お買い得度は予想以上だ

 とはいえ、新グレード構成で一番の売りは、リーズナブルな「e:HEV X」に追加された新HuNTパッケージだろう。新たなカーキ色メインの革調コンビシートやルーフレールを搭載しつつ、車両本体価格は300万円切り。オシャレな内外装と同時に、予想以上のお買い得度を誇るのだ。

 実のところ、マイチェンヴェゼルの裏テーマはコストパフォーマンス。デビュー時はFFガソリンモデルが227万円、ハイブリッドモデルが265万円ぐらいから買えたが、昨今の円安と材料高であれよあれよと数十万円アップ。手軽なガソリンFFモデルもなくなり、ガソリン4WDモデルが264万円になってしまった。

 つまり、今回のマイチェンヴェゼルは手軽さとオシャレさを取り戻すのが主題で、最大の売りがこのe:HEV X HuNTパッケージなのだ。

 なんだかんだで高くなったヴェゼルだけれど、手軽なXにオシャレアウトドアな装備を付けて300万円切り(正確には299万8600円)! 昨今の物価高で軽が200万円、コンパクトカーが250万円、SUVが300万円以上は平気でする時代。人気モデルもいろいろお客を引き留めようと必死なのだ。

 新車なんて高くて買えないわ! というお嘆きのアナタ。ぜひマイチェンヴェゼルをチェックしていただきたい。

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