ホンダが“崖っぷち”日産に救いの手…日本自動車メーカーの“弱者連合”は成功するのか

公開日: 更新日:

 しかし、日産の経営はガタガタだ。北米、中国市場での不振が響き、9月中間決算で連結営業利益が前年同期比90%減という惨状。業績悪化を受け、先月には9000人削減などのリストラや、生産能力を2割縮小する方針を示している。

 崖っぷちの日産にホンダが救いの手を差し伸べた形だが、果たして、経営統合はうまくいくのか。経済ジャーナリストの井上学氏はこう言う。

「EVの技術開発を加速させるとのことですが、一大市場の中国ではBYDなどの新興EVメーカーが台頭しており、安くて品質の良い商品を次々と送り出しています。ハッキリ言って、その差は広がるばかり。ホンダ、日産が力を合わせたとしても、EV開発の遅れを取り戻せるほどの技術力が、両社にあるとは思えません。中国の市場でシェアを伸ばすのは難しいでしょう」

 ハイブリッド車(HV)の需要が高まる米国市場はどうか。

「HVの分野ではトヨタが圧倒的に強く、北米大陸の市場にも割って入る余地はないと思います。結局は両社とも目立った商品力がなく、経営統合といってもあくまで“弱者連合”。国際的な競争力低下の根本的な解決になるとは思えません」(井上学氏)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【独自】著者グループは架空? ベストセラー「反ワク本」に捏造疑惑浮上…製薬会社が調査結果公表へ

  2. 2

    ソフトバンクOB指摘 甲斐拓也の巨人移籍が「結果的にプラスになる」理由…《戦力激減で大打撃、という見方は違う》

  3. 3

    マクドナルド中学生殺傷事件「防犯カメラの映像」を公開できないのはなぜ? 元刑事が解説

  4. 4

    中日・柳裕也まで来オフ流出危機…異例すぎるFA権取得前年の大幅ダウンで小笠原、福谷に続くか

  5. 5

    照ノ富士「後継者育成」にも迫るタイムリミット…横綱らしからぬ“醜態”で限界説いよいよ裏付け

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 8

    巨人元バッテリーコーチがFA甲斐拓也獲得を悲観…「人的補償で未来の大切な戦力を失いかねない」

  4. 9

    ソフトB甲斐拓也を巡るFA争奪戦 “大本命”巨人の秘策…大役を担うのは阿部監督

  5. 10

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ