2024年の倒産企業は1万件超で前年比15%増…「これからが本番」の業界は?
「コンサルタント企業の倒産は、コロナ禍による政府の融資、補助金支援が落ち着き、参入が容易だった補助金対応のコンサルタントに依頼がなかったこと。またコンサルタントの見極めができてきたことが挙げられる。介護事業は人手不足とコストアップ。農業は物価高で農業市場が広がらず負債総額は192億円超と前年の約1.5倍に膨らんでいる。学習塾は少子化と実績重視が影響。これらの業界の倒産はこれからが本番になると思われます」(友田氏)
こうした倒産企業は、ほとんどが中小だ。倒産企業全体のうち中小企業の倒産件数(中小企業基本法に基づく)は1万4件と、構成比は99.9%を占める。24年春闘では多くの中小企業が、従業員の確保のため大手企業に倣い賃上げを実施した。
ところが背伸びをした賃上げが業績拡大につながらず、経営に跳ね返ってきているのが中小企業の倒産急増に結びついてきたのである。
1月22日から25年春闘が事実上スタートした。連合は大手企業を含め全体で5%以上、中小企業は大手との格差是正のため1%上乗せして6%以上の賃上げを目指すとしている。昨年、大手企業の5.58%(経団連調べ)に比べ3.62%(日本商工会議所調べ)にとどまった中小企業の賃上げの流れが注目される。