日本の労働力人口は過去最多なのに…深刻な「人手不足」のなぜ?

公開日: 更新日:

 深刻な人手不足が日本企業を襲っている。2024年に「人手不足」が原因で倒産した会社は、13年以降で最多となる289件(前年比81.7%増)となった(東京商工リサーチ2月3日発表)。

 倒産の要因は「求人難」114件(前年比96.55%増)、「人件費高騰」104件(同76.27%増)、「従業員退職」71件(同69.04%増)といずれも過去最多を更新した。

「人手不足」関連倒産を資本金別に見ると、資本金1000万~5000万円未満の会社は100件と最多だが、国内企業の8割を占める資本金1000万円未満の小・零細企業は合わせて186件と全体の64%を占め、前年比約2倍と急増している。人材確保で大手企業の賃上げの流れに並び、無理な賃上げを行い人件費の高騰に耐え切れなかった企業の倒産が増えたのである。

 人手不足が中・小・零細企業を倒産へと追い詰めている現実の一方、総務省が1月31日に発表した労働力調査による24年の労働力人口は6957万人と前年比32万人増え過去最多だった。労働力人口は働いている就業者数6781万人と、就業はしていないが求職活動を行い働く意欲のある完全失業者数176万人の合計。男女別では、男性が3800万人と1万人の減少に対し、女性は3157万人と33万人増加している。さらに高齢者の就労が増えたことも増加の大きな要因になる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    リアル店舗にこだわり続けるホビーショップ 経営危機からのV字回復は「脱 安売り」だった

  2. 2

    開幕まで2カ月も大阪万博ご難続き…入場券販売不振で“政敵”に泣きつき、海外パビリオン完成もわずか数カ国

  3. 3

    REIT(不動産投資信託)に高利回りと価格上昇の期待 NAV倍率1倍以下で割安感を評価

  4. 4

    フジの「天皇主権」剥奪と「乗っ取り」加速 物言う大株主が日枝久取締役相談役に退任要求の衝撃

  5. 5

    トランプ大統領が表明 USスチール問題「買収ではなく投資」の今後…日本製鉄に妙案はあるのか?

  1. 6

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  2. 7

    大阪万博“引き抜き人事”に労組が抗議書提出の異常事態…府職員からは「通常業務さえままらない」の悲鳴

  3. 8

    「トランプ関税」が東京市場を直撃!日本株は2.18に再下落か…“報復合戦”勃発なら米国株の大暴落も

  4. 9

    フジテレビ問題が小池都政に飛び火! 東京都には数々の「日枝案件」…都議会で追及の的に

  5. 10

    森永卓郎には「原発」と「学会」もメディアタブーとして指摘してほしかった

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  5. 5

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  3. 8

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  4. 9

    石丸伸二陣営に都知事選での公選法違反疑惑…矢面に立たされた渦中の「T氏」の正体と釈明

  5. 10

    橋本環奈「おむすび」浮上の足を引っ張るギャル衣装のダサさ…「カムカム」「ばけばけ」も逆風に