著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

ルーズベルトとハルの態度の違いに東條らは苛立ちを強めた

公開日: 更新日:
満州国訪問の際、満州国皇帝・溥儀(左)と共に満州国軍を閲兵する高松宮殿下(=右、1942年5月31日)/(C)共同通信社

 対米戦強硬派は何を根拠にアメリカとの戦争を望むのか。2つの理由を挙げればいいであろう。

 ひとつはメンツである。陸軍と海軍の強硬グループは、自分たちの存在を誇示するために常に強硬論を吐く。実際に戦争の現実を想定するより、強い現実認識を持つ方が優位に立つというのが日本の軍事…

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