著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

大政翼賛会と皇国史観の継承の役を担わされた近衛文麿の悲劇

公開日: 更新日:
西園寺公望(左)と近衛文麿(C)共同通信社

 昭和15(1940)年7月に第2次近衛内閣を組閣してからの近衛文麿は、自分に欠けているのは、自らを政治的に補佐する与党勢力の確保と理解していた。そのため大政翼賛会を設立し、その国民的支持基盤を厚手にして内閣を強化するはずであった。ところが近衛のこうしたもくろみは根本から崩れてし… 

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